八年前、上海に来た頃、まだ通り

八年前、上海に来た頃、まだ通りが暗かったことを思い出す。街灯は薄暗く、スモッグがかかっているせいか、酷くぼやけた景色が記憶に残っている。
昼間といえば、やはりこれも埃っぽく、同じ駐在者が鼻毛が伸びて困ると言っていた(笑

日本食料理屋もありはしたけれど、貧相なトンカツなどモドキ料理が普通だった。いまはそんなことなく、現に今も飯を食いながらこれを書いているが、料理の質など日本と比べて遜色ない。ちなみに五目ソーセージと親子トマトサラダ(うまいよ)。

この頃の上海には、色々とノスタルジーを感じさせるものが多い。幅広いコンクリート製に走る人力や軍用色を思い起こさせるサンタナタクシー、それがスモッグのかかった景色になって思い起こされる。たった八年前の話だ。

中でも気に入っているものがある。 冬場にモクモクと湯気を立てる朝食のセイロと熱々のラーメンだ。何しろ寒い、熱々のスープを飲むと足に先からチンチンと熱くなっていく。あえて寒くする必要はないけれど、あの感覚は何とも幸せにさせてくれる。

それともう一つ。女性の夏着になるワンピース。ナイロン製で薄く、体のラインも肌着も透けてしまう。若い娘もオバちゃんもこれを着ている。ファッション性が高いとは言えないけれど、その頃に艶やか艶やかなものと言ったら、それぐらいだった。
4、5年するとユニクロや外国資本のリテールが目立つようになり一気に日本と変わらなくなった。

上海などは既に東京と何ら変わらない。たった八年で昭和から平成までを駆け抜けてきた気になる。

自分も駆け抜けて来たのだろうか。





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