断片

 もう何年も前から、色々なところで、なんだかよくわからないものが広がっている。もののけ姫に出てくる、あの紫色をした「呪い」に似たイメージだ。


 例えばがいっぱいあるのだけれど、家族の絆、年功序列、躾、教育理由、大黒柱、死生観、国の枠組み上げればきりがなく、その幅も広い。どれもこれも凛とした律を失い、あの化け物の様になってしまっている。


 そして、多くの人が、やはりあの監督の映画で千と千尋から「顔無し」と言うやつを心に抱えているような気がする。


 昔からある縛りをかなぐり捨てたら、そういう風になってしまった。

 そんな感じだろうか。

 
 それでも、あのキャラクターの様にトボトボと歩いていると、新しい価値観が生まれてくる。世の中は、そうして進み次の時代を造る。


 だれもが面倒だと思うけれど、温故知新。


 何もないところに、昔からのピースをはめ込み、似ているけれど少し異なり、少し心地よく、少しフィットする形を見いだせれば良いのだと思う。


 色々なところに断片が見え始めている。