やっと上海にも「桜」!?

今週のお題「桜」

 日本にいて中々気づくことなく、あたりまえに享受できる景色として、「満開の桜」や「桜吹雪」、「葉桜」がある。春を印象付ける一瞬だ。


 3月末に気温が上がってくると、テレビやラジオで桜を待ち遠しく伝えるアナウンサーの言葉や声が頻出する。桜前線が、どこまで上がってきたとか、何分咲きだとか。


 私の実家の周りでも、昔通った小中学校の桜が、それこそ手のひらを広げる様に咲き誇り、花びらを落とす。2週間ほどの間に芽吹き、咲き、散っていくさまは、満身の意味を込めて季節の移り変わりを教えてくれる。そして、葉桜となり夏を待つ緑へと変化する。


 地元にいるとき、もとい日本にいるときは、毎年ある風景だった。


 残念なことに中国には、上海には、これがとても少ない。飛行機で日本から来る際にも感じることだが、色に乏しいのが上海と言う場所だ。茶色の海、黄砂やほこり等で茶色の草花、春に葉を落とす常緑の街路樹。色とりどりだとか、移り変わりと言った変化がとても少ない。


 恐らく日本人には、体に染みついた季節感と言うものがある。


 周りが、そのように変わっていかないと、それがストレスと感じることもある。


 美しい日本というは紛れもない事実だけれど、外に出てしまうと郷愁に変わる。少々難儀なところでもあったりする。


 さて、そんなことを言っていても仕方がない。
 
 上海自体はそこそこ古い場所だが、郊外の方はほぼ全て新興住宅地だ。それだけに、味もそっけもない街並みだ。茶色と濃緑とコンクリ・アスファルトの3色しかない。

 それが、去年?一昨年?今年は確実に春に花を見ている。私の住む小区(マンション)にも桜の花を見かけた。数日前にブログに書いたのも、「桜」が嬉しかったからだ。

 おそらく、住み始めた5年前から、そこにあっただろうし。花もつけていただろう。目に映っていたかもしれないし、気づいていたかもしれないし、けれどそれが気持ちに心に「桜」だと印象付けたのは今年だった。


 残念なことに、10数度から一気に26度まで上がってしまった気温は、桜の木に花びらと葉を同時につけさせた。華満開の葉桜と言ったところだが、それでも嬉しい「花見」をすることが出来た春だった。


 来年から、待ち遠しい花見がという楽しみが増えた。